相生座のあゆみHISTORY Ⅴ

相生座こけら落とし公演より「鯉つかみ」

五 未 来 | 「自分はこれだ」と演じれば、時代は後からついてくる

相生座でもう一度やりたい「鯉つかみ」

私は今、自分の仕事の三つの柱として古典の新演出、復活通し狂言での再創造、スーパー歌舞伎での新作とやっていますが、今後は古典の新演出を主にやりたいと思っています。私のところの若手で組織している「廿一世紀歌舞伎組」というのがあるのですが、昔の歌舞伎小屋はこうだっただろうという、演劇の原点をめざして頑張っています。
時代を追いかけようとしないで、自分はこれだ―という信念を持ってやっていれば時代がついてきてくれると思って、やっています。私のベースの時代は何といっても江戸、そこから未来が見えて来るのです。古典の新演出をする場合、いろんな選択肢を持っているほど得なのです。だから地芝居に期待をしているのです。
今後機会をつくって相生座でもう一度やってみたいですね、特に<鯉つかみ>を。水槽のある歌舞伎小屋というのは全国を探してもここしかないのですからね。

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