相生座のあゆみHISTORY Ⅳ

四 地歌舞伎の意義 | 大歌舞伎のまねをしても、勝てっこありません

「岐阜以外の地芝居はまだ見に行ってはいません。話に聞くと岐阜のものが一番いいと言いますから。よそは大歌舞伎と同じ様なことをやろうとしているようにみえます。洗練された大歌舞伎と同じことはやらない方がいいですね。大歌舞伎のまねをしても、勝てっこありませんし。
地方の歌舞伎はやはり地方らしさを大切にしてもらって―、それと私たちの立場から言えば、昔の型、地方の型を大切に守っていってもらいたいですね。そこに地芝居の大きな魅力と意義があると思います。守っていかないと絶滅してしまうのですよ佐渡のトキのように。それは私たち、大歌舞伎にたずさわっているもののためにもなりますし。

昔の型を守り、演じ続ける大きな役目

岐阜のいいのは大歌舞伎のまねをしない、元からあったものを守ってやっているから、大歌舞伎よりいいものもあるのです。よその地芝居は、みんなでやるというところは地芝居なんですが、型でいうと大歌舞伎のまねをしている。
岐阜はそうじゃないところがいいのです。みなさんが楽しみながらも昔の型(演出)を伝えていってもらうのが大きな役目だと思っています。
珍しい演目の型はぜひビデオに残しておいて下さい。例えば<廿四孝の竹の子>。
この昔の型はほとんど誰も知らない。団升さんなら知っておられるかと思うのですが、ぜひ上演してもらって記録に残しておいて欲しいのです。後世のために。

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